実質賃金24か月マイナス、大丈夫なの?
先日実質賃金が24か月連続でマイナスを記録したというニュース記事が出回りました。〇〇か月連続は正直どうでもいいのですが、なかなか実質賃金がプラスへ転換しないのは心配です。
24年の春闘では大企業を中心に大幅な賃上げが達成されました。5月段階の大手企業賃上げ率は5.58%(NHK調べ)と近年まれにみる高水準です。
それでもなお実質賃金がマイナスとはどういうことなのでしょうか?しっかりと勧化ていきたいと思います。
実質賃金とは
まずは言葉の意味からです。実質賃金とは名目賃金、わたしたちが会社から支払われる給料の額面ですね。これに物価変動要素を加味した値です。額面給料が変わらなくとも物価が上がれば使えるお金は減るので実質賃金はマイナスになるということです。
賃金上昇が反映され切っていないかも
もちろん賃上げ以上に物価が高騰すれば実質賃金はマイナスに振れますが、それとは別にまだデータ上名目賃金の上昇分が反映され切っていない可能性があります。
企業によっては賃上げは決定しているけど、実際に額が増えるのは5,6月から、というケースもあります。ですから賃金上昇分がおおむね反映されるのは夏ごろになるかもしれませんので、まだ何とも言えない状況です。
消費者物価は低下傾向
実質賃金に大きな影響のある消費者物価指数(CPI)ですが、直近の動向を見ていると上昇は減速傾向にあります。賃金上昇がデータに反映されて、CPIが低下していけば実質賃金は今年プラスに転換するのも決して非現実的ではないと思います。
中小企業の賃上げも好調
一方で中小企業は4.66%(NHK調べ、対象2480社)と大企業に比べ劣るもののかなり高水準と言えます。あくまで数千社ですが、それでもプラス傾向であることは間違いないでしょう。
物価も落ち着き始め、賃上げも順調であればそこまで悲観する必要もないのかなと感じます。夏ごろの結果を待ちたいと思います。
政府からの後方支援があると完璧
ここで懸念となるのが政府および日銀の動向です。若干引き締め欲求が抑えきれなくなっているようにも感じられるので、景気が上向く絶好の好機の今、余計な事をしないことを祈っています。
賃上げの影響が出るのもある程度時間がかかるため、政府にはぜひその間のつなぎ支援をしてもらいたいところです。
政府は子育て支援の名目で社会保険料の負担増を匂わせたり、日銀は異次元の金融緩和の解除を決定したりと引き締めへの動き出しそうな雰囲気を感じます。
所得減税の勢いのままに再浮上!
6月には所得減税もありますので、何とかこのいい流れのまま各経済指標にいい結果が出て、バブル期以降の景気を体感したいものです。(筆者バブルのころ生まれていませんが・・・)
更新日 2024/5/28